不動産の鑑定評価をいざ活用したい、となったときに一番悩むのが「どこに依頼するか」でしょう。
鑑定評価依頼は、歯医者のように自分で何度も体験するようなことはありません。もしかしたら最初で最後かもしれません。知人に聞いても「知らない」と言われるでしょう。
そこで、依頼先を決める前に知っておいて頂きたい不動産鑑定業界の真実をお伝えします。
- 不動産鑑定士の力量はピンキリである
医者にも「ヤブ医者」と呼ばれる方がいるように、「資格者であれば皆同じ」ということは「絶対に」ありません。例えば弁護士もそうですよね。難問を解決し続ける「敏腕弁護士」と呼ばれる方がいるように、不動産鑑定士もその力量はバラバラです。「長く従事していればベテラン」ということもありません。つまり、誰に頼むかによって結果は異なるのが資格業の現実なのです。これは鑑定業にも当然あてはまります。
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- 鑑定評価の結果はバラバラである
意外に思われるかもしれません。しかし、これを理解しないと、「良い依頼先」を見つけることは難しいでしょう。
鑑定評価とは、不動産の価値を査定することです。そして、鑑定評価の本質は「不動産の価格に関する専門家の判断であり、意見である(不動産鑑定評価基準第1章第3節)」のです。つまり、鑑定評価は査定であって、算定ではないのです。単なる計算をすることを算定といいます。それに対して、査定というのは判断を介在させることをいいます。つまり、判断如何で結論は変わって当然なのです。
「不動産鑑定士によって鑑定評価額が異なるのはおかしい」と思われる方がいるかもしれません。しかし、私たち不動産鑑定士は「10人の不動産鑑定士が同じ物件を鑑定して、価格が一致することはありえない」というのが本音ですし、現実にありえません。それくらい不動産の鑑定評価というのは判断要素が多いのです。
- 鑑定報酬はバラバラである
鑑定業界には統一された民間報酬基準は存在しません。したがって、各社で自由設定となっています。それゆえ、鑑定報酬は高いところから安いところまで様々なのが実態です。
注意が必要なのは、「安さだけを売りにするような不動産鑑定士は危ない」ということです。報酬というのは、基本的には作業時間に比例します。したがって、安く請け負うということは、その分手抜きをしている可能性があるのです。あなたの目的は『安かろう、悪かろう』の鑑定評価書でも大丈夫ですか?大変残念ながら、そのような鑑定評価書が流布しているのも現実なのです。そして、その弊害を受けている依頼者がいることも悲しい現実です。
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- 鑑定事務所の場所と鑑定依頼地との接近性は気にしない方がいい
皆さんは、「鑑定依頼地に近い所に居る不動産鑑定士がいいのでは?」と考えているかもしれません。しかし、実はこれは間違いです。地元だからこその「しがらみ」があるのが現状です。皆さんは、どんな『目的』をおもちでしょうか?それによっては、地元ではない不動産鑑定士だからこそ可能となる場合もあるのです。
不動産鑑定評価に地域的な制限はありません。日本全国の評価が可能です。だからこそ、私たちは日々全国を駆け回っているのです。
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